銀座「鮨 辰也(たつなり)」 訪問クチコミレポート

グルメ

銀座や赤坂などの某有名店で修行を積んだ職人さんから、独立して銀座7丁目にお店をオープンするという連絡をいただいたので、開店祝いを持って訪問してきました。

まだ2017年2月にオープンしたばかりなので、食べログなどのクチコミも無いことから、これから行かれる方の参考になればと思います。

もくじ

銀座7丁目「鮨 辰也(たつなり)」

場所はもともと「鮨おがわ」というお店があったところ。

鮨 辰也(たつなり)

住所:東京都中央区銀座7-7-12 圭田ビル 1F
TEL:03-6274-6063

銀座の路地にひっそりと佇む、良い風情です。

カウンター10席のこぢんまりとしたお店ですが、それもまた隠れ家的な雰囲気に合っていい感じ。

料理9種と握り8種に卵焼きと巻物、お吸い物が付くおまかせコースをオーダー

今回はおまかせコースで握ってもらいました。

季節の料理9種と握り8種に卵焼きと巻物、お吸い物が付く内容のコースで、生ビールグラス1杯、日本酒2合、麦焼酎1杯をいただき、会計は2人で合計4万円弱でした。銀座でこだわりのある鮨屋でこのコース内容でのお値段と考えれば、相場から考えても通いやすいのではないでしょうか。

まずは季節の料理9種から

白魚の刺身

まずはビールで喉を潤してからの先付けは白魚。

ほんのりと香るすだちが白魚の苦味と相まって美味です。

オーストラリアからのお客さんにも出したところ、白魚の苦味が彼らのツボにはまったらしく大絶賛だったとのこと。

鯛の刺身

お次は鯛の刺身。醤油だと鯛そのものの味が消されてしまうので、素材の味を引き出すために煎り酒でいただきます。煎り酒はもともと醤油の代替品として使われてきましたが、醤油ほどの個性がないぶん、鯛のような淡白な白身魚との相性が良いですね。

昆布と鰹節から取った出汁に梅の香りがほんのりと効いて、鯛の旨味を引き出してくれています。(写真手前の器に入っているのが煎り酒)

本鮪の刺身

次は那智勝浦で水揚げされた本鮪。

築地のマグロ仲卸といえば三本の指に入ると言われている「石司」から仕入れているという本鮪。石司の鮪、美味しゅうございます。

赤貝の刺身

宮城でとれた赤貝を秋田の黒塩でいただきます。

秋田の黒塩

黒塩はその名の通り黒い塩で、男鹿半島の塩を孟宗竹に詰めてまる三日間焼くことで竹の旨み成分・風味が溶け込み、一般の白い塩よりもまろやかで口解けが早い、独特ながら上品な味わいになっています。うっすらと温泉卵のような風味があるのも特徴です。

ちなみに黒塩が盛られているこの器、有田焼らしからぬ有田焼とのこと。

ヤリイカとバフンウニの刺身

ミョウバンを使わない塩水ウニなので、ここでもウニ本来の旨味を味わえます。

蝦夷アワビの蒸し物

三陸産の蝦夷アワビを7時間蒸したものです。

蒸し汁にアワビの旨味が凝縮されていてなんとも美味。

焼き太刀魚と酢漬けトマト

ふっくらと焼き上げた脂の乗った太刀魚に酢漬けしたトマトを添えてさっぱりと口直し。

蛸のうま煮とあん肝

和蛸のうま煮と北海道のあん肝。どちらも味がギュッと凝縮されていて旨い。

牡丹海老の昆布締め

身と卵はそれぞれ分けて昆布締めにしてあります。

身のほうは、両面を昆布で締めてしまうとエビの赤い色が落ちてしまうので、片面だけ。

握り8種

いろいろな薀蓄を聞かせてもらいながら、ここまでで約1時間半くらいでしょうか。いよいよ握りに突入です。

だいぶ酔いも回ってきて写真の構図もますます不安定になってきましたが、そこはご愛嬌。

銚子の金目鯛

炙って黒塩でいただきます。写真をご覧いただくとわかる通り、言葉はいりませんね。

青森の寒平目

二日間寝かせた寒平目。歯ごたえが良いです。

那智勝浦の本鮪

さきほど刺身でもいただいた本鮪を握りで。マグロの握りは赤酢を使った炊き具合も異なるシャリに変えています。

マグロ漁の行きと帰り、捕れたタイミングによって水揚げまでの経過時間が異なることで、味も変わってくるそう。そこまで考慮して、いつ捕れたマグロをどのタイミングで出すかを考えているとのこだわりよう。

赤身の漬け

マグロ本来の味を残しつつ、漬け本来のねっとりとした舌触りが楽しめる、いいバランスでした。

スミイカを藻塩で

肉厚でパリッとした歯ごたえのあるスミイカに藻塩をのせていただきます。スミイカの甘みと藻塩の海の香りが口いっぱいに広がります。

バフンウニ

先ほども登場したバフンウニ。ミョウバンを使わずに塩水につけてある状態からの握りです。割ったばかりのウニには敵いませんが、板ウニにはないトロフワ感を残したままの握りはやはり良いですね。

山口の車海老

肉厚で旨味が濃厚な車海老。

明石の穴子

宮内庁御用達、下村商店の焼き穴子同様、明石海峡でとれた穴子を使った握り。タレではなくて塩でいただくのがオススメ。

卵焼きと巻物

握りが終わるといよいよ締めに入ります。かねさか風の卵焼きと最後にマグロとかんぴょうの巻物が出て食事は終了です。

卵焼き

卵焼きはツルンとして気泡のない、かねさか風の卵焼き。

マグロとかんぴょうの巻物

巻物に使われていたのは「こんとび」という青のりが含まれる海苔。海苔の香りが強いため、素材の邪魔になってしまう場合もあることから使うタイミングが難しい海苔ですが、個人的には歯切れも良く好きな海苔です。

巻物の後にしじみの出汁がたっぷりと出たしじみのお吸い物をいただき、本日のコースは終了。いや、大満足でした。

辰也でいただいた日本酒「磐城壽 純米酒」

ここで本日いただいた日本酒を紹介。

今日の鮨に合う辛口の日本酒をオーダーしたところ出てきました。

山形は鈴木酒造の「磐城壽 純米酒」。鈴木酒造、元は福島県浪江の酒蔵ですが、震災後に山形に蔵を移して再出発しました。

米の旨味と後からくる辛味のバランスがよく、とても飲みやすいお酒でした。

錫の酒器で出てくるのも良いですね。

最後に

鮨 辰也のコンセプトは「良い魚を仕入れて、素材そのものの味を生かしてより美味しく食べてもらう」ということで、素材の味を最大限に引き出すための工夫が随所に感じられる鮨でした。

3カ月に1回位のご褒美として、今後も定期的に通いたいお店です。

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